「将来的に経営者になりたいと思っているけれど、何から始めたらいいのかわからない」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、経営者になる具体的な方法をご紹介します。
各手法においてどういった流れで経営者になるのか、どれくらいの費用がかかるのかを明確にすることで、経営者になるまでのプロセスをより鮮明にしましょう。
経営者になる方法は?
経営者とは、企業の最高意思決定機関であり、経営に最終的な責任をもつ人のことを指します。
売上だけでなく、事業の成長やステークホルダーへの還元など、様々な部分に目を向けながら指揮を執らなければなりません。
そのため、経営に取り組むには相当な熱量と覚悟が必要です。
そんな経営者になる方法は多岐にわたりますが、本記事では代表的な4つの手法を取り上げて説明します。
- 起業して経営者になる
- 出世して経営者になる
- 後継して経営者になる
- フランチャイズを開業して経営者になる
起業して経営者になる
起業とは自分で新しい事業を立ち上げることで、一般的には、独立して会社を設立することを指します。
最近では、働き方の多様化や副業の解禁などの理由により、ベンチャー企業やスタートアップ企業などを起業する若者が増えてきています。
では、起業はどのような流れで行っていけば良いのでしょうか。
起業の流れ
- 起業する業界を決める
- 目的や軸を考える
- 事業内容を決める
- 起業計画を具体化する
- 資金調達を行う
- 事業を開始する
まずは自身が事業を行っていく業界を決定します。
社会に存在する課題とニーズをもとに、参入予定の分野や既存サービスと自身のアイデアをどのように掛け合わせるのかを検討しましょう。
次になぜ起業をするのかを言語化します。
企業の目的が曖昧なままだと、このままでいいのかと迷いながら事業を進めなければならず、経営もうまくいかない可能性が出てきます。
ビジネスを通して何を実現させたいのかが、事業を運営するうえで軸になってくるため、起業する理由や目的は明確にしておきましょう。
起業の目的を決めたら、それを叶えるための事業内容を考え、起業計画を具体的に決めていきます。
起業への考えや将来の事業をシュミレーションする段階であるため、しっかり時間を確保して計画を立てましょう。
その後、健全な運営をしていくための資金調達を行います。
資金調達の方法は以下の4つです。
自分に合った調達方法を選択しましょう。
- 出資を受ける
- 融資を受ける
- 補助金・助成金を利用する
- クラウドファンディングを利用する
最後に事業を始めるための法的手続きを進め、起業が完了します。
以上が起業により経営者になる流れです。
起業にかかる費用
起業前にかかる一般的な費用は以下の通りです。
- 定款に貼付する収入印紙代(電子定款は不要):4万円
- 定款の認証手数料:3~5万円
- 定款の謄本手数料:約2,000円
- 登録免許税:15万円
最低でも25万円ほど必要になります。
起業後についても、オフィスの家賃や事務用品関連費用、広告関連費を合わせると相当な費用が発生します。
起業前後で合計で200万円程度はかかると考えて良いでしょう。
日本政策金融公庫が2022年に行った新規開業実態調査によると、起業費用が500万円未満が約43.1%、開業費用の平均が1,077万円というデータが出ています。
一つの目安にしましょう。
よくある起業形態
起業形態としてよく挙げられるのが以下の6つです。
- 株式会社
- 合同会社
- 個人事業主
- 企業組合
- NPO法人
- 一般社団法人
それぞれ特徴を理解したうえで、自身の理想のビジネスモデルに合った形態を選びましょう。
出世して経営者になる
就職した会社で出世し、経営者に昇りつめるのも経営者になる方法の1つです。
会社規模が大きい場合、経営者になるのは難しいかもしれませんが、不可能ではありません。
出世する人の特徴や心構えを把握して、自分の仕事に投影し、経営者を目指しましょう。
出世する人に共通する特徴
出世する人には共通項が存在しています。
- 仕事へのモチベーションが高い
- 積極的にコミュニケーションをとっている
- 礼儀正しい
- 何事も諦めずにやり遂げようとする
- 他人の意見に耳を傾ける
- 的確で素早い決断ができる
以上の項目は、社会人として当たり前のように見えるものばかりですが、当たり前のことを当たり前に行える人間は重宝されます。
仕事ができれば出世できるわけではありません。
共通項だけではなく、出世を目指すうえで念頭に置いておくべき項目もあるので、次章でご紹介します。
出世を目指すうえでの心掛け
以下に出世している人がよく心掛けていることをまとめました。
参考までに、自身の仕事に反映してみてください。
- 視野を広く持つ
- 自分だけでなくチームの目標達成も目指す
- 上司からの依頼を素直に聞く
- 周囲との関係性を大切にする
- 会社のルールや企業文化を正しく理解する
後継して経営者になる
経営者になる方法として、どこかの会社の後継者になるという選択肢も考えられます。
後継者といっても形は様々なので、今回は3つのタイプを説明していきます。
親の会社を継ぐ
親族が経営者や個人事業主の場合、親族内承継を行うことで後継者になることができます。
親族が先代経営者であれば、後継者育成期間を十分に設けやすく、後継者が抱える会社経営に対する不安も減らしやすくなります。
社内の従業員からの納得も得やすく、社外の取引先にも後継者を受け入れてもらいやすい傾向があります。
一方で、親族内承継では、後継者に選ばれなかった親族とトラブルになる可能性もあり、入念な話し合いが大切になってきます。
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M&Aによって事業を買収する
M&Aで事業を買収できれば、経営者としてすぐに事業運営を始めることができます。
事業立ち上げのコストも下げられ、ノウハウや従業員も引き継ぐことができるので、M&A後、スムーズに経営を行うことができるでしょう。
最近は後継者不在問題の深刻化により、M&Aによる事業承継ニーズが高まりを見せており、M&Aを検討する会社の中には黒字の優良企業も存在します。
ただし、M&Aには買収費用がかかったり、簿外債務のリスクがあったりと、デメリットも併せ持っています。
買収先の従業員や取引先が離れていってしまう可能性もあるので、M&A前に従業員や取引先とコミュニケーションをとるなど、対策を打っておく必要があるでしょう。
サーチファンドを利用する
最近注目を集める事業承継モデルであるサーチファンド。
経営者を目指す人間(サーチャ―)に対し、買収先を探す費用だけでなく、買収するための費用までもが投資家の出資で賄われる仕組みとなっています。
サーチャ―は出資してもらった代わりに、買収後の経営で出た利益を投資家に還元します。
サーチファンドは経営者の経験がなくても挑戦でき、企業とのミスマッチも防ぎやすいというメリットを持っています。
しかし、日本においてサーチファンドは認知度が低く、成功したケースが少ないというデメリットもあります。
サーチファンドは経営者になるための新しい道であり、注目されている手法です。
過去のコラムに詳細をまとめておりますので、ぜひご覧ください。
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どの手法をとるにしても、後継することが選択肢に出てきたら、事前の準備が必要な場合が多いです。
過去のコラムを参考に準備をしておきましょう。
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フランチャイズを開業して経営者になる
フランチャイズのオーナーになることも経営者になる方法の1つです。
フランチャイズでは基本的に本部が提供するパッケージをもとにビジネスを行います。
しかし、地域や環境によって柔軟に対応しなければならないので、パッケージを守りながらも状況に応じて試行錯誤できる人に向いている手法といえます。
次章で開業までの流れを説明していきます。
フランチャイズで開業する流れ
以下がフランチャイズで開業する流れです。
- 参入する業界を決める
- 加入するフランチャイズチェーンを決める
- 契約を結び、開業準備を行う
- 開業する
まずは市場規模や成長のポテンシャル、必要な資金を考慮して、どの業界で経営をしていくかを決めます。
同時にどのフランチャイズチェーンに加入するかを、下記の基準を参考に決めていきます。
- 業界のリーディングカンパニーであるか
- ブランド力が高いか
- 加盟後の運営サポートは充実しているか
- フランチャイズオーナーの数は多いか
加盟先を決めたら、契約を結び、開業準備を行います。
本部の指導通り開業準備を行いますが、その後のトラブルに備えるため、行った準備を全て記録しておくことをおすすめします。
準備が整い次第オープンとなり、晴れて経営者になります。
開業にかかる費用
フランチャイズ開業にかかる費用は業種によって変動するため、一概には言えません。
小規模で無店舗開業が可能なフランチャイズの場合、初期費用は100万円以下で抑えられる場合があります。
その一方、コンビニエンスストアなどの土地がある程度必要な場合だと、1,000万円以上かかるケースも存在します。
事前の確認が必須な項目です。
よくあるフランチャイズの業種
フランチャイズは種類が多く、さまざまな業種で展開されています。
以下に例を挙げておきますので、参考までにご覧ください。
業種 | 例 |
小売業 | コンビニエンスストア、質屋、チケットショップ |
飲食業 | ファストフード、居酒屋、弁当・惣菜、ラーメン |
サービス業 | リフォーム、パソコン教室、フィットネスジム |
介護・福祉業 | 訪問介護、デイサービス、訪問看護 |
教育・保育業 | 英会話教室、保育園、幼児向け教室、学習塾 |
自分に合ったやり方で経営者を目指しましょう
経営者になるための基礎的な情報である、経営者になる方法をご紹介しました。
具体的な方法がわかると、経営者になるまでの道筋がイメージしやすくなり、経営者を目指すモチベーションの高まりにも繋がります。
他にも経営者になるためには知識やスキル、資金など、必要なものがたくさんあります。
自分に合った方法を考えたうえで、経営者になるための必要事項を少しずつ揃えていきましょう。
※本記事は、その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。
詳しくは当センターへお問い合わせいただくか、関係各所にお問い合わせください。