事業承継計画とは、その名の通り事業承継のスケジュールや道筋を示した計画のことです。
事業承継を円滑に進め、成功に導くためには事業承継計画が必須です。
また、以前解説しました事業承継税制の特別措置を利用する際には、計画書の提出が申請のスタートとなります。
こちらは特例承継計画と呼ばれ、一般措置では必要のなかった申請書類です。
申請には期限が設けられており、平成30年4月1日から令和6年3月31日令和8年3月31日(※)までの間に提出する必要があります。
※提出期限が2年間延長し、令和8年3月31日までになりました。
準備に少なからず時間が必要なため、ご検討の際はお早めに作成に取り掛かることをおすすめします。
事業承継税制の特別措置に関してはこちらの記事でも解説しています。
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本記事では、事業承継計画の重要性や策定のタイミングなどを解説いたします。
事業承継では早期のスケジュール作成が肝心
事業承継には、長い時間を要します。
準備から実際に承継するまでの期間はおおよそ10年と言われていますが、その間に会社の磨き上げや、多くの申請や届出、関係者への告知などやるべきことが多数あります。
事業承継は経営者と後継者だけが当事者ではありません。従業員、親族、取引先などの関係者、すべてが当事者であり、彼らの生活や経済活動に大きく影響を与えることです。
無計画に行うと、経営上の問題や関係者への混乱が起きます。
事業承継計画を策定するメリット
- 事業承継をスムーズに進めることができる
- 親族などの関係者と協議するきっかけができる
- 後継者と意見をすり合わせることができる
- 事業や経営の目標が明確化され、会社の発展が期待できる
- 取引先などの関係者の理解を得られやすい
- 事業承継税制の特例措置が利用できる
- 銀行などの金融機関に安心感を与えられる
事業承継計画を策定しないデメリット
- 従業員の雇用が脅かされ、従業員の混乱や不安を招く
- 後継者の育成・後継が上手くいかず、事業や会社が発展していかない
- 関係者の理解を得られず一貫した事業展開が望めない
- 親族内・相続人同士でトラブルや揉める可能性がある
事業承継計画(スケジュール)を策定する前に
事業承継計画を練り上げる前に、会社の現状を正確にとらえる必要があります。
具体的には以下のような項目です。
- 経営資源の状況
- 会社や事業のリスク、脅威
- 経営者(主に資産)の現状や取り巻く環境
- 後継者(候補)の現状や取り巻く環境
- 相続時に予想されるリスク、問題点
事業承継計画(スケジュール)を練り上げるタイミングは?
事業承継計画を策定するタイミングとして「後継者決定の後」「会社の磨き上げを進めはじめたら」「引退年齢の10年前」など、各機関の見解はありますが、事業承継を考えはじめたタイミングで、専門家と進めていくことを推奨します。
ただし、一般的に事業承継は5~10年かけて長期スパンでスケジュールを立てることで、円滑に進むことが多いと言われています。
自社株の評価、事業承継に向けた自社の課題抽出など、会社や事業、経営者の状況と照らし合わせて、専門家と一緒にじっくり策定しましょう。
事業承継税制の特別措置の期限は残りわずか
事業承継税制の特別措置を利用することを検討している場合、時間的猶予はありません。
平成30年4月1日から令和6年3月31日令和8年3月31日(※)までに利用を申請するための特例承継計画を提出する必要がありますので、すぐに動き始めましょう。
※提出期限が2年間延長し、令和8年3月31日までになりました。
事業承継計画(スケジュール)はアップデートしていくもの
事業承継計画は進めていく中で修正や更新を重ねていくものです。社会情勢や事業を取り巻く状況、後継者とのすり合わせでズレも生じてきます。最初に固めたもので、10年走っていくことはできません。
経済の波や社会情勢の変化は急に起こります。
たとえば、コロナ禍の現在、多くの企業の事業承継計画は何度も修正を重ねていることかと思います。
会社・事業を取り巻く環境の変化をしっかり計画に落とし込み、アップデートしていきましょう。
事業承継計画(スケジュール)の練り上げ・策定はできるだけ早めに!
冒頭でお伝えした通り、事業承継には時間がかかります。事業承継の計画の策定はできるだけ早めに行っておくことをおすすめします。
「何から手を付けて良いかわからない」「後継者が決まっていない」「事業承継税制の利用を検討している」など、初動の段階であっても、是非事業承継M&Aパートナーズへご相談ください。
事業承継の方法、後継者候補の選定、各制度の要件や事業承継に向けた会社の課題抽出など事業承継に係る内容を幅広くサポートいたします。
※本記事は、その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。
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