1. 家業を継ぐ人は年々減少している
  2. 家業を継ぎたくない理由とは?
  3. 家業を継ぐメリット・デメリット
  4. 親族内に後継者が見つからない場合の選択肢
  5. 家業を継ぐか迷った場合にすること
  6. 子供が継ぎたいと思える会社にすることが大切

家業を継ぐ人は年々減少している

近年の後継者不足の背景には、家業を継ぐことを拒む20代・30代が増加していることが理由の一つとして挙げられます。
以前は子供が家業を継ぐことは当然と言っても過言ではありませんでしたが、なぜ現代において家業を継ぎたがらない人が増加しているのでしょうか。
今回のコラムで詳しく解説していきます。

家業を継ぎたくない理由とは?

以前とは違い、なぜ現代の子供は家業を継ぎたいと思わないのでしょうか。
その代表的な理由を紹介します。

事業の将来性が低い

「親が経営者」と聞くと、一般的には裕福な家庭をイメージする方が多いですが、実際は必ずしもそうとは限りません。
特に過疎化が進行する地方においては、決して事業の将来性が高いとは言えない会社も数多く存在します。

そのような会社を継ぎ、長く相続させることにやりがいを感じる人もいる一方、後継者になることを拒み、都市部の会社に勤めて安定した収入を望む人も多いです。

他に理想の職業がある

  • 現在の仕事が気に入っている
  • 他にやりたい仕事がある

現代は職種やワークスタイルが多様化し、選択肢が増えていることから、このような理由で家業を継ぐことを拒む人が非常に多くなっています。
また、現在の会社に勤めて長いという方で、そのキャリアを捨てることに抵抗があるという場合もあります。

住所の変更が困難である

地方出身の方が家業を継ぐとなると、ほとんどの場合はその出身地に戻る必要があります。
もともと出身地付近で生活をしている場合は大した負担にはなりませんが、遠く離れた場所に暮らしている方にとっては大きなハードルになるでしょう。
本人の意思だけでなく、パートナーや友人といった周囲の人間関係も決断を左右する大きな要素になります。

経営者としての自信が持てない

経営者としての資質は誰しもが有しているわけではありません。
それは経営者の子供だとしても同様です。
実際、子供が家業を継いでから業績が悪化する例は珍しくなく、その不安から後継者になることを拒む人もいます。

モチベーションにギャップがある

いざ会社を引き継いだ際、経営者としての能力だけでなく、モチベーションに関しても先代と比較してギャップがあるケースは多いです。
特に親が創設者である場合は会社への思い入れが非常に強く、このような問題が起きやすいため、多くの会社が一代で終わってしまう原因の一つとなっています。

プライベートが確保できなくなる

世の経営者の中には、毎日遅い時間まで働き、たまの休日も普段手を付けられない業務や取引先の接待でせわしない生活を送っている方が多く存在します。
特にそのような姿を間近で見て育った経営者の子供は、「経営者=プライベートがない」というイメージを抱いていることが珍しくなく、家業を継ぐことを拒む理由の一つになっています。

家業を継ぐメリット・デメリット

次に家業を継ぐことのメリットとデメリットを解説します。
子供に家業を継いでほしいと考えている経営者の方や、親が経営者で後継者になるべきか悩んでいる方は、改めて確認してみてください。

家業を継ぐメリット

高収入を得られる

中小企業の経営者の平均収入はおよそ1,500万円と言われており、一般的な労働者の平均収入を上回っていることは間違いありません。
収入が上がることは、家業を継ぐことの大きなメリットの一つだと言えます。

既に基盤ができている会社の経営者になれる

経営者として事業を起こす際の大きなハードルの一つは、資本、人材、信頼など、全体的に資産が不足していることです。
安定した収入を得れるようになるまで、苦しい状況に耐えざるを得ないケースもあります。
その点、家業を継ぐということは、既に経営基盤ができている会社の経営者になるということなので、通常の起業と比較してリスクが低いです。

出勤日・出勤時間を自由に決められる

出勤日や出勤時間を自由に決めることができるという点も、経営者と労働者の大きな違いです。
事業内容によって制限はかかりますが、自身が望むのであれば、毎日休みなく働くことも、まとまった休日を取得して旅行することも可能です。

事業方針を決められる

事業の方針を決めることができることも経営者の特権です。
長年受け継がれてきた事業だとしてもそれは同じで、既存の事業内容を大きく変更することも可能です。

親孝行になる

後継者問題が深刻化している現代だからこそ、家業を継ぐことは大きな親孝行になります。
会社の歴史が長いほど、一族にとっての価値は高いため、子供が後継者になることは大きな意味があります。

家業を継ぐデメリット

廃業・倒産のリスクを負う

経営者になるということは、廃業や倒産のリスクが常に伴うということです。
特に経営者が交代した直後は業績が悪化しやすいため、事業承継に備えて万全な準備をする必要があります。

仕事に拘束される

役員や従業員の生活を守ることは、経営者の大切な責務です。
そのため、家業を継ぐとなると、誰よりも会社のことを考え、行動に移していく必要があります。
実際、四六時中仕事のことばかり考えている経営者は多く、身体的にも、精神的にも仕事に拘束されることが多いです。

先代と比較される

後継者が先代の経営者と比較されることは仕方のないことですが、親子の場合は、その様子がより顕著に表れます。
従業員はもちろん、顧客や取引先からも経営手腕を問われることになるでしょう。

親族内に後継者が見つからない場合の選択肢

子供に後を継いでほしいと考える経営者の方は多いですが、子供にその意思がない場合はどのような選択肢があるのでしょうか。
主な手法を紹介します。

親族外承継

経営者の子供や孫に後継者として会社を承継させることを「親族内承継」と呼ぶ一方で、自社の役員や従業員など、親族以外の人物が後を継ぐことを「親族外承継」と呼びます。
十分な能力を有し、信頼できる後継者を選出できる点が親族外承継のメリットです。

ただし、親族外承継を行うには所有していた株式の譲渡などで多額の資金が必要になります。
他にも金融機関から受けている融資の個人保証の引継ぎなど、大きなハードルがいくつか存在します。

M&A

親族にも社内にも後継者として適切な人物が見つからない場合は、第三者機関に会社を売却する「M&A」が有効です。
通常、事業承継は数年かけて中・長期的に取り組む必要がありますが、M&Aは比較的短い期間で完了することも可能で、買い手となる企業がすぐに見つかれば1年以内に承継できる場合もあります。

しかし、反対になかなかマッチングできず、時間がかかってしまうケースもあります。
また、M&Aの専門機関・仲介業者を活用する場合は報酬も支払わなければいけません。

家業を継ぐか迷った場合にすること

家業を継ぐか迷った場合、間違いのない決断を下すため、どのようなことを考えるべきか解説します。

事業の将来性を考える

何歳の時に世代交代するかにもよりますが、自身が後を継ぐとなると、基本的にはその後数十年に渡って事業を継続させていく必要があります。
また、将来的に自分の子供が後を継ぐことも考えられるのであれば、より長期的に事業を継続させなければいけないため、会社の将来性をよく見極めることが大切です。

改めてメリット・デメリットを考える

家業を継ぐかどうかの選択を迫られると、周囲からのプレッシャーや、従業員に対する責任などを感じ、冷静に判断することが難しくなってしまう場合があります。
一度頭を落ち着かせ、家業を継ぐことでどのようなメリット・デメリットがあるのか、改めて考えてみましょう。
既に結婚している、あるいは結婚の意思があるのであれば、パートナーや家庭のことも考慮する必要があります。

自分が望む会社にできないか考える

「他にやりたい仕事がある」という理由で家業を継ぐことを拒む人は多いですが、経営者は事業の方針を自由に決めることができます。
もし十分な資金やノウハウがあるのであれば、新規事業として自分がやりたい仕事を業務の一つにすることも不可能ではありません。
現在の事業内容とある程度の関連性があるのであれば、事業拡大という形で実現することもできるでしょう。

家族に相談する

家業を継ぐ、継がないという問題は、親子間に留まらず、親族全体の問題にもなり得ます。
もし親子だけの話し合いで結論が出ないようであれば、兄弟や姉妹、祖父母、その他親戚など、家族に相談することでも重要な意見を得ることができるでしょう。

自分が継ぐこと以外の方法がないか考える

どうしても家業を継ぐことにあまり意欲的になれないのであれば、自分が家業を継ぐということ以外の方法がないか考えてみましょう。
兄弟姉妹といった他の後継者候補がいないか、親族外承継やM&Aなどの手法は活用できないかなど、考えられる選択肢を洗い出した上で最終的に決断することが望ましいです。
やむを得ず廃業するという選択をしなければいけないケースもあるため、あらゆる事態に備えて準備をしておきましょう。

子供が継ぎたいと思える会社にすることが大切

親として、子供に後を継いでもらうことを願っている経営者が多いことに反し、それを拒む子供が増加しているのが現状です。
子供に後を継ぎたいと思ってもらうには、やはり会社としての魅力を上げていくことが最も効果的です。
どのような事業承継においてもそれは同じなので、業績を伸ばし、高い将来性を獲得していくことが重要です。

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