そろそろ経営者として働くのを辞めにしたい
社長の転職活動は難しいと言われているが、本当なのか

と悩みや疑問を抱えている社長も少なくないでしょう。

そこで、本記事では社長の転職が難しいといわれる理由や転職を成功させるポイントを解説いたします。
社長ならではの転職活動の難しさを理解し、納得のいく転職活動を実現しましょう。

  1. 社長が転職する方法
  2. 社長の転職が難しいといわれる理由
  3. 社長が転職を成功させるためのポイント
  4. 社長引退後の選択肢
  5. 専門家に相談することで転職成功の確率を上げよう

社長が転職する方法

まずは社長が転職する際の代表的な方法をご紹介します。
1つの方法に絞って転職活動をするのではなく、いくつかの手法を並行して使うことを意識しましょう。

  • 転職サイト・転職エージェントを活用する
  • ヘッドハンティングされる
  • 取引先や知人の紹介を受ける

転職サイト・転職エージェントを活用する

ハイクラス求人は非公開であることが多いです。

  • 早急に人材を確保したい
  • 応募の殺到を防ぎたい
  • 他社に知られずに採用活動を行いたい

といった理由で、ハイクラス人材の採用は非公開で行われることが珍しくありません
そこで、転職サイトや転職エージェントを活用することで、一般には出回らない情報を手に入れることが可能です。

転職サイトや転職エージェントでは、転職市場に精通したキャリアアドバイザーのアドバイスを受けることが可能で、面接対策や企業理解を深めることができます。

ヘッドハンティングされる

ヘッドハンティングされたことをきっかけに転職を考える社長も多いでしょう。

部長や課長といったミドルプレイヤーの需要は高いものの、一から育てるには時間がかかります。
中堅人材の育成にかける時間を削減するために外部から優秀な人材を確保するヘッドハンティングを活用する企業が増えているというわけです。

そのため、転職後も企業の中核として活躍したいという方におすすめの選択肢だといえます。

取引先や知人の紹介を受ける

取引先や知人に「うちの企業を継いでほしい」、「幹部人材が足りなくて困っている」と紹介を受けるケースも考えられます。

取引先や知人の企業であれば、全く知らない企業に転職するよりも、会社や従業員に馴染める可能性も高いでしょう。

上記の2つの選択肢よりもコストを削減できるため、まずは身の回りの企業から転職先を探してみるのも良いかもしれません。

社長の転職が難しいといわれる理由

社長の転職が難しいといわれる理由はいくつも存在します。

  • プライドを捨てきれない
  • 採用枠が少ない
  • 転職先での期待値が高い
  • 転職後の条件に納得できない
  • 事業を失敗させたというイメージがついている
  • 前会社の競合にすぐに転職できない

プライドを捨てきれない

社長の転職活動において一番の障害ともいえるのが社長のプライドです。

転職後は経営者以外のポジションとして雇用される可能性があります。
今までと違い、誰かの指示で動くことも多いでしょう。
その時にプライドの高さを出してしまうと、周りの従業員も扱いにくさを感じてしまいます。

どのような職場においても、プライドの高い人材は敬遠される傾向にあります。
自分に与えられた地位や求められる役割をわきまえて発言や行動をしないと、周りと良好な関係を築けず、働きづらさを感じてしまうでしょう。

採用枠が少ない

社長からの転職となると、一般の従業員というよりも幹部クラスへ転職するケースが多いのではないでしょうか。

しかし、ハイクラス人材の求人はそこまで多くありません。

後継者のいない中小企業や新規事業に乗り出そうとしている企業など、経営のノウハウを活かすことを期待する企業にとって、元社長という経歴は重宝されるでしょう。
しかし、一般企業で幹部人材を目指すとなると、相当な倍率を勝ち抜かなければなりません。

転職先での期待値が高い

元社長となると求められる成果や期待値が高くなるのもまた事実です。

ハイクラス転職で募集されるようなポジションは役職も報酬も高水準であるため、高いレベルのパフォーマンスを求められます。
能力や業績への評価は厳しいでしょう。

もらえる対価の分、成果を出し続けないと信用を失ってしまいます。
転職先でも期待に応え続ける大変さは避けられないでしょう。

転職先の条件に納得できない

給料面や働き方の条件になかなか納得できないケースも散見されます。

管理職以上の求人となるとそもそも求人数が少ないため、条件に合った求人を見つけるのは容易ではありません。

労働条件については妥協できる部分も含め検討する必要があるでしょう。

事業を失敗させたというイメージがついている

書類選考において、元社長という肩書はマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。

前向きな理由の転職だとしても、世間は以下のようなイメージを元社長に対して抱いていることが多いです。

  • 会社を倒産させた
  • 事業に失敗して転職してきた
  • 将来的にまた転職していくのではないか

元社長に対するネガティブなイメージを払拭するためには転職への思いや経緯を伝えなければなりません。
しかし、履歴書だけでそれを伝えるのは難しく、書類選考で落とされてしまうケースが考えられます。

前会社の競合にすぐに転職できない

企業の従業員には、労働契約書や就業規則で、競業避止義務が課されるケースが多いです。

競業避止義務によって、一定期間は前会社の競合にあたる企業に属することや、前会社と同じ業界で会社を設立することが禁止されています

法的に認められる競業避止義務の有効期間は明示されていませんが、退職後1年以内は有効とされる場合が多いです。
最近の事例では、退職から2年以上経過した場合の競業避止義務は無効とされるケースが多く見られています。

競業避止義務によって自身のノウハウを活かしやすい同業他社への一定期間の転職が禁止されていることも、社長の転職を難しくしている要因の1つです。

社長が転職を成功させるためのポイント

社長の転職が難しいといわれる理由を踏まえたうえで、転職を成功させるためのポイントを押さえておきましょう。

  • 求められる成果や役割を把握する
  • 転職先へのリスペクトを持つ
  • 長期的に働くことを覚悟する
  • 転職活動に一定の期間をかける

求められる成果や役割を把握する

社長の転職を成功させるには、自身が転職先において求められている成果や役割を把握することが必要です。

他の従業員よりも経営のノウハウがあるため、幹部や上層部に口を出したくなったり、自分より立場が下の従業員に強く言ってしまったりすることもあるでしょう。
しかし、あなたに期待された役割はそういったことではないかもしれません。

自分に期待された成果や役割を理解して、どのような動きをしてどのような言葉を誰にかけるべきなのかを考えながら仕事に取り組みましょう。

入社前に自分の上司や部下になる人の情報を入手しておくと、入社後スムーズに関係を構築できるかもしれません。

転職先へのリスペクトを持つ

転職の際には、転職先へのリスペクトを持つことが大切です。

企業はただ単に経営できる人材が欲しいわけではありません。
今までの実績はもちろん重要ですが、自社にどれくらい熱意を持ってくれているかも当然評価の指標になります。

同様のスキル・ノウハウを持っている転職希望者がいる場合、熱意のある方を採るのは想像に難くないでしょう。

面接の際は、自身の経験をどう活かしていけるのかだけでなく、どんな思いで転職先を選んだのかも併せて伝えることを意識してください。

長期的に働くことを覚悟する

企業は長期的に働いてくれることを望んでいます。

特に、幹部人材の採用には費用と時間が大きく割かれます。
企業にとっても、幹部人材にすぐに辞められてしまうと大きなコストの損失になりかねません。

そのため、幹部以上の地位で転職する際は、長期的な雇用が前提であることを念頭に置いておきましょう

短期的な雇用を望んでいる際は、入社前に転職先に伝えておくことをおすすめします。

転職活動に一定の期間をかける

転職活動は容易ではありません。
体力的にも精神的にも大変であり、早く終わらせたい方が多いでしょう。

しかし、転職のプロセスを妥協すると、入社後に後悔する可能性が高くなります
特に、ハイクラスへの転職の場合、入社して「イメージと違った」と思っても、そう簡単には退職できません。
任された仕事や期待される成果に重みがあるからです。

転職にはある程度時間がかかるものだと思って、余裕をもって臨みましょう。

社長引退後の選択肢

社長を引退した後のキャリアには、他の会社への転職以外にも選択肢があります。
それぞれの選択肢の特徴を把握したうえで、自身が最も満足できる選択をしましょう。

  • 会長職に就く
  • セカンドライフを送る

会長職に就く

社長の座を降りてからは会長職に就くという選択肢があります。
会長は社長よりも地位が高く置かれるケースが多く、報酬も高いです。

社長引退後も経営に関わることができるのが魅力ですが、経営に口を出し過ぎるのは良くありません。
新しい経営陣も会長の発言には逆らいにくく、経営方針が揺らいでしまって、経営がうまくまわらなくなる可能性が出てきてしまいます。

経営からは降りたという認識を持って、間接的に会社に関わりながら、会長職の仕事に取り組みましょう。

セカンドライフを送る

ビジネスの世界から身を引いてセカンドライフを送るのも良い選択でしょう。

社長という立場だと、常に経営のことを考えなければならず、家族との時間や趣味に費やす時間をとることが難しいです。

しかし、社長を引退して経営から身を引けば、仕事のことを考える必要も、時間的な制約もなくなります
時間とお金に余裕があれば、海外で暮らすことも可能です。

残りの人生を自分の好きなように使うのも、人生を豊かにする選択肢の1つといえるでしょう。

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専門家に相談することで転職成功の確率を上げよう

社長の転職が難しいといわれる理由がお分かりいただけたでしょうか。

社長が転職を成功させるには時間も労力もたくさん使うことになります。
1人で成功させるのは難しい場合が多いので、お困りの際は専門家を頼りましょう。

名古屋事業承継センターでは経営幹部候補人材を必要としている企業の紹介を行っています。
転職を考えている経営者の方はぜひ一度ご相談ください。
無料でご相談を承っております。

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