1. 事業承継に悩む企業が急増中
  2. 後継者が定まらない
  3. 相続争いが起こる
  4. 先代が事業に関わって社内が混乱する
  5. 新経営者の代になって失敗する
  6. 納税資金・株式買取資金が不足している
  7. 関係者全員で事業承継に向き合うことが大切!

事業承継に悩む企業が急増中

後継者不足が深刻化する中で、本格的に事業承継の準備に取りかかる企業は徐々に増えてきていますが、全ての企業においてスムーズに事業承継が進行するわけではありません。
今回のコラムでは事業承継が上手くいかない5つのケースを紹介します。
それぞれに対して失敗の原因や解決策を解説するので、ぜひご参考になさってください。

後継者が定まらない

事業承継の代表的な課題の一つは「後継者が定まらない」ということであり、これを解決しないことには、事業承継を成功させることはできません。
もし最後まで後継者が見つからなかった場合、廃業や倒産など、本来望まなかった形で会社の歴史が終わってしまうということもあり得ます。

原因:事業承継の準備開始が遅れている

各地方では少子化や過疎化が進行しており、どの業界でも後継者不足は深刻化しています。
現代の若い世代は全体的に安定志向にあり、会社経営や家業を継ぐことに魅力を感じる人の割合が少ないということも、事態を改善できない理由の一つとなっているでしょう。

しかし、そのような状況下でも事業承継を成功させている企業はたくさんありますが、それらの企業の多くに共通しているのは、早めに事業承継の準備に取り掛かっているということです。

反対に言えば、準備が遅れれば遅れるほど、事業承継の成功率は下がってしまいます。
引退を間近に控えているにも関わらず、何も準備できていないと、万全な事業承継をする期間を確保できない可能性が高いです。

解決策:第三者視点を持つ専門家に相談する

後継者を決定する際は、基本的に以下の順番で適切な候補がいないか検討していく場合が多いです。

  • 子ども・孫などの親族
  • 企業の役員・従業員
  • 第三者となる企業・個人

「家業は子どもが継ぐもの」という風潮がなくなりつつある現代においては、M&Aによって第三者企業や個人に自社企業を売却することも当たり前になってきています。
そのように選択肢が増えること自体は経営者にとっても喜ばしいことですが、実際にM&Aを活用する場合、専門家の支援無しに進行することはかなりハードルが高いです。

まずは事業承継の専門家に相談し、どのような選択肢があるのか助言を仰ぐことが大切です。
それでも事業承継が無事完了するまでには数年かかることも珍しくないため、早めに行動を開始することが大切です。

相続争いが起こる

残された遺産を巡って相続争いが勃発する可能性はどの家庭でもありますが、被相続人が経営者だった場合は遺産額が高額になることが多く、相続争いが起こるリスクも高くなります。
例えば被相続人が所有していた株式を後継者が相続する場合、その評価額の高さから、他の相続人が不平等を訴えるケースなどが考えられます。

原因:親族間でのコミュニケーション不足

前提として、相続争いが起きる原因は遺産の分配に偏りがあるためですが、相続内容に株式が含まれる場合、その株式を均等に分配することは難しいです。
株式以外の遺産で調節する手段もありますが、必ずしも補えきれるとは限りません。

ただ、親族間でしっかりとコミュニケーションが取れてさえいれば、いざ被相続人が亡くなった際も、遺産分配で揉める可能性は低いです。
被相続人は後継者だけを贔屓せず、他の相続人ともコミュニケーションを取り、良好な関係を築いておくことが大切です。

解決策:遺言を活用する

コミュニケーション以外に、遺言を活用することも相続争いを避けるためには有効な手段の一つです。
細かい制限や条件はありますが、親族間の関係を崩すことなく、自分の意思に沿って遺産を分配することができます。

先代が事業に関わって社内が混乱する

事業承継とは後継者が企業の経営権や支配権を引き継ぐことを意味し、先代は第一線を退くことが一般的です。
ところが、引退後も事業に積極的に関わろうとする先代経営者は少なくありません。

事業承継後も順調に成長していく企業は、完全に経営者が交代し、スムーズに新体制をスタートさせている場合が多いです。

逆に引退した先代経営者がいつまでも経営に関わっていると、後継者はいつまでも企業の代表として成長することができません。
従業員の混乱を招く可能性もあり、先代派と当代派に二分してしまう恐れもあります。

原因:周囲を信頼できていない

先代経営者が引退した後も事業に関わろうとしてしまう理由は、会社への愛着が強いからだと思われがちですが、それだけではありません。
少なくとも会社に愛着を抱いているということは、ほぼ全ての経営者に共通することでしょう。

ではなぜ断ち切れないかというと、後継者や周囲の従業員を信頼できていないことが原因であるケースが多いです。
「まだ会社を任せられない」「やはり自分がいないとダメだ」という考えから、つい経営に口をはさんでしまう傾向にあります。

解決策:緻密な事業承継計画書を作成する

企業の状態や課題を踏まえ、いざ事業承継を実施するまでに、いつ、誰が、何を、どのように行うのかをまとめた工程表を「事業承継計画書」と呼びます。
法的な書類ではないため、作成にあたって特に厳格なルールはありませんが、これを作成するメリットは、事業承継において企業がどのように変化していくのかを明確にできるということです。

ある日を境にいきなり経営者が交代するのではなく、徐々に段階を踏んでいくことで、事業承継後も旧体制を引きずるリスクを回避できます。

新経営者の代になって失敗する

前述した通り、先代の経営者が引退後に経営に関与しすぎることは一般的に望ましくないこととされていますが、実際新経営者の就任後に業績が悪化してしまうケースは珍しくありません。
特に創業者から2代目に代わった場合は、大きなギャップが生じやすいです。
事業承継直後であれば、多少の業績悪化は仕方のないことかもしれませんが、結局それを改善することができず、廃業や倒産に追い込まれてしまう場合もあります。

原因:後継者の育成が不十分だった

経営者が交代して業績が悪化してしまう場合の主な原因は、後継者の育成が不十分だったということが考えられます。
特に事業規模が大きくない企業は経営者の影響力が強く、社長の顔があったからこそ企業が存続できていたことも珍しくありません。
もし後継者の実力が不足していた場合、その影響は顕著に表れるでしょう。

解決策:事業承継をゴールだと捉えない

このような事態を避けるためには、後継者を育成するために十分な期間を設けることが前提になります。
経営者に必要なノウハウや人間関係はすぐ身に付くものではないため、時間をかけて成長していかなければいけません。

そして先代の経営者は、事業承継をゴールだと捉えないことが大切です。
後継者が企業を引き継いだ時点で、先代は身軽になり、経営者としての負担は無くなります。

しかし、企業にとっては事業承継後の方が重要であり、先代経営者と新経営者のギャップを埋めつつ、新体制を築き上げていかなければいけません。
先代経営者も含めて、企業の将来を見据えて行動していかないと、途端に業績が悪化してしまうことは十分考えられます。

納税資金・株式買取資金が不足している

被相続人が所有していた株式を相続する際には、多額の相続税が発生することが珍しくありません。
また、相続人ではない企業の役員や従業員が後継者となる場合は、株式を買い取らなければいけませんが、その場合にも多額の資金が必要になります。
そのような資金が不足することによって、スムーズに事業承継できないケースもあります。

原因:株式の評価額が高い

資金不足にはいくつかの原因が考えられますが、そのうちの一つは株式の評価額が高いということです。
企業の業績が良好であるからこそ、そのような事態が起こりますが、適切な処置を取っておかないと、事業承継や相続の際、上記のようなデメリットが発生するリスクを理解しておかなければいけません。

解決策:適切な株価対策を取る

状況に応じて適切な株価対策を取ることで、株式の評価額を下げ、必要になる資金を減額することができます。
例えば以下のような対策があります。

  • 類似業種株価を引き下げる
  • 純資産株価を引き下げる
  • 会社規模を変更する
  • 子会社を設立する

他にも様々な株価対策があり、企業によってどのような対策が最適なのかは異なります。
選択を誤れば逆に企業にとって損失になってしまう恐れもあるため、節税や資金調達については、専門家に相談することをおすすめします。

関係者全員で事業承継に向き合うことが大切!

事業承継の失敗例について解説いたしましたが、ご参考いただけたでしょうか。

早めに事業承継に取り組むことは大切ですが、それだけで成功するとは限りません。
当事者である経営者と後継者はもちろん、親族や従業員など、関係者全員が同じ意思を持つことが大切です。

思わぬリスクやトラブルを回避するためにも、まずは専門家の助言を仰ぎましょう。
名古屋事業承継センターでは無料相談も受け付けておりますので、事業承継をお考えの方はいつでもお問い合わせください。

※本記事は、その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。
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